じゃらんじゃらんでコピルワクを扱わない理由

「コピ・ルアク、ありますか?」「インドネシアならじゃらんじゃらんさんと思ったけど、コピ・ルアク扱ってないんだ」と何名ものお客様をがっかりさせてしまったことが...

KOPI LUWAK(コピ・ルアク)とはジャコウネコのうんちコーヒー。世界一高価なコーヒーとして日本でも数年前からメディアがたびたび取り上げて話題になっています。もしじゃらんじゃらんが現地の農園に視察に行ってなかったら「ありますよ~。世界一!」とかいって店で売っていたかもしれません...

話題になった当初、インドネシアが主産地なので、じゃらんじゃらんで扱うつもり満々でした。これまでの現地買付時に何ヶ所かの現地農園を訪れ視察とテイスティングをしました。でもいろいろ知れば知るほど違和感しか感じないので じゃらんじゃらんではコピルアクはあえて売ってません


■コピ・ルアクをじゃらんじゃらんが扱わない理由 その1
味に対して価格が高すぎる! まろやかで上品な酸味があり普通に美味しいですがいくらなんでも高すぎます。いま日本ではルアク豆が100gあたり5000円くらいで売られているそうです。喫茶店で飲むと1杯1500~2500円もするんだそうです(@@)正直なところ、猫のうんちコーヒーにそれだけの価値を見いだせないです。その金額なら自分だったら迷わずワインを買います。


■コピ・ルアクをじゃらんじゃらんが扱わない理由 その2
それホンモノですか?? そしてそれは本当にルアクコーヒーなの??という問題もあります。飲まれたことのある方でも目隠しでだされて「これ何のコーヒーだ?」って言われたらわかりますか? いろいろ飲みましたが正直なところそこまで特徴的なコーヒーだとは思えませんでしたし、一口にルアクコーヒーといっても農園によって植えてあるコーヒーの種類はいろいろだから味だってかなり変わると思います。そして本題。「幻のコーヒー」といわれている希少価値のわりにはやたら流通しているという...だいたいジャコウネコ自体がそんなにいないらしいですし、これほど輸出できるほどの生産量があるか疑問です。デパートの食品売場とか有名ホテルのレストランのメニューで産地や食材の偽装表示が相次いで発覚されていましたね。大手だから・有名だから安心っていうのはもはや都市伝説レベルの信ぴょう性かもしれません、って個人的には思います。出所のはっきりした安心安全なちゃんとしたものを適正な価格で…いつもまっとうな商売をしていたいです。


■コピ・ルアクをじゃらんじゃらんが扱わない理由 その3
ある農園を訪れたとき、農場の人が「ルアクに餌をあげてみる?」と。当然、コーヒーの樹になったコーヒーの実をルアクにあげるのかとおもったら...「ルアクはなんでも食べるの。毎日毎日無理矢理食べさせられてるコーヒーの実よりこっちのほうがずっと喜ぶんだ!」とその辺に咲いている赤い花を摘んできました。ルアクは喜んで食べています。「内緒ね!」と農場の方。これはルアクコーヒーを生産する農園的にNG行為なんですって。本来いろいろなフルーツや木の実を食べるジャコウネコに無理矢理コーヒー豆だけを与える過酷な飼育環境。人間の欲求のためだけに牢屋に入れられて毎日毎日コーヒーの実ばかり与えられ生きていくしかないルアク。

元々いろいろな物を食べるルアクに無理矢理コーヒー豆だけを与えるという、ひどい飼育環境を実際に自分たちの目でみました。本当の意味での「KOPI LUWAK」は野生のルアクがたまたま農園にやってきて食べたコーヒーの実うんちを焙煎して飲んだら予想外に美味かった、というものだそうです。そんな自然状態で糞を集めるのは相当大変でしょうし、そういうホンモノだったら値段が張るのはわかります。オリにいれるのは効率よくうんちを収穫できるから。人間の都合だけで自由を奪われうんちを出し続ける毎日。悪名高いフォアグラ生産と一緒です。動物好きの自分たちにとって「こういう方法で生産してるのなら無理」と素直に思いましたし、これがコピ・ルワクをウチが扱わない一番の理由かもしれません。

(実際に訪れたコーヒー農園で撮った写真です)


扱えばきっと売れるんだと思います。目先の収入よりも素直な気持ちを大切にしたいと思います。綺麗ごといってんじゃないよ?って言われそうですけど、心からそう思いましたので

2020/12/20